お弁当の彩りや日々の食卓に欠かせない、栄養満点の緑黄色野菜「ブロッコリー」。スーパーで年中見かけるブロッコリーですが、実は本来の旬は11〜3月頃の冬であり、寒さに当たると甘みがギュッと増すのが特徴です。
家庭菜園で畑(地植え)に挑戦するなら、9月に苗を植えて育てる「秋冬どり(夏まき)」のサイクルが一番おすすめです。
この時期にスタートすると、徐々に気温が下がっていくためブロッコリーの生育に最適な涼しい環境が続き、春植えに比べてアオムシなどの害虫被害を抑えやすくなります。また、寒さに当たることで、じっくりと濃厚で甘いブロッコリーに仕上がります。
🥦 栽培カレンダー(目安)
- 苗の植え付け(定植):8月下旬〜9月中旬
- 収穫時期:11月上旬〜2月頃
1.植え付け前に絶対やるべき「土作り&高畝」

ブロッコリーを大きく美味しく育てるための成否は、植え付け前の準備でほぼ決まります。
① 2週間前に「酸度(pH)調整」を行う
ブロッコリーは酸性の土壌を嫌い、適正な土壌酸度はpH 6.0〜6.5です。酸性が強すぎると、アブラナ科の天敵である「根こぶ病」(根にコブができて株がしおれる病気)が発生しやすくなります。 植え付けの2週間以上前には、1㎡あたり約100gの苦土石灰を畑の全面にまいて、深くしっかりと耕しておきましょう。
② 1週間前に「堆肥と元肥」を施す
ブロッコリーは、大きく充実した株を育てることが、結果的に大きなつぼみ(花蕾)を収穫するための近道になります。 植え付けの1週間前には、1㎡あたり完熟堆肥を約2kg、元肥として化成肥料(8-8-8等)を約100〜150gを畑の全面にまいて、深さ20〜30cmまで均一によく混ぜ合わせます。
- ワンポイントアドバイス:ブロッコリーは「ホウ素」という微量要素が不足すると、茎に空洞ができるなどの生理障害が起きやすくなります。そのため、元肥にはホウ素入りの肥料を使用するのがおすすめです。
③ 湿気に弱いブロッコリーには「高畝」が必須!
アブラナ科の野菜の中でも、ブロッコリーは「湿害(過湿)」に極めて弱い特性を持っています。根が長時間水に浸かると酸素不足で根が傷み、病気や生育不良を招きます。 そのため、水はけが通常の畑なら高さ10〜15cm程度の畝を作り、粘土質など水はけの悪い場所なら高さ20〜25cmの高畝を立てて、周囲にしっかりと排水溝を作っておきましょう。
2.元気な「苗の選び方」と「植え付け手順」

理想的な苗の選び方
園芸店やホームセンターで苗を購入する際は、以下のポイントをチェックしてください。
- 本葉が5〜6枚しっかり出ている
- 茎が太く、節間(葉と葉の間隔)がギュッと詰まっている
- 葉の色が鮮やかな緑色で、ハリがある
- 葉の裏などに虫や病気の斑点(シミ)がない
失敗しない植え付けの手順
9月は「定植が1週間遅れると収穫が1ヶ月遅れる」と言われるほど初期の生育が重要です。遅くとも9月中旬までには植え付けを完了させましょう。
- 株間をたっぷりあける 株間は40〜50cmを目安に広めに確保します。思った以上に葉が大きく広がりますが、この外葉の大きさがブロッコリーのつぼみの大きさに直結するため、ケチらずにスペースを取りましょう。
- 植え付けは夕方の涼しい時間に 9月上旬はまだ日差しが強いため、昼間に植えると暑さで苗が枯れてしまうことがあります。作業は夕方の涼しい時間帯に行うのがコツです。
- 「浅植え」を徹底する 苗を植える際は、深植えにならないよう、土壌の表面と根鉢の肩が揃うか、株元が少し高くなるくらいに「浅植え」にします。深植えにすると地際の茎が腐りやすくなります。
- 植え付け前後のたっぷり水やり 植え穴と、苗(根鉢)の両方にあらかじめ水をたっぷり含ませておき、植え付け後も根元にしっかり水やりをして活着を促します。
- すぐに「防虫ネット」をかける アブラナ科の幼苗は虫たちの大好物です。植え付けが終わったら、すぐに不織布や防虫ネットをトンネル状にかけ、隙間がないように裾を土で埋めて固定しましょう。
3.外葉を大きく育てる「追肥と土寄せ」
ブロッコリー栽培の合言葉は、「花を育てる前に、まずは葉を育てる!」です。大きなつぼみ(頂花蕾)を収穫するためには、光合成の工場となる「外葉」をいかに大きく充実させるかがカギを握ります。
地植え(畑栽培)の場合、水やりは基本的に雨まかせで大丈夫ですが、10日以上雨が降らずにカラカラになっている時はたっぷり与えてください。重要なのはタイミングを逃さない追肥と土寄せです。

📢 追肥・土寄せは合計2回が基本!
- 1回目の追肥(植え付け後2〜3週間後) 苗が畑に根付いて新しい葉が伸び始めた頃、1株あたり化成肥料を約1握り(1㎡あたり20〜30g程度)を株の周りにまきます。肥料と周辺の土を軽く混ぜ合わせる「中耕(ちゅうこう)」をしながら、風で株がグラグラ倒れないように株元へしっかり土を寄せて(土寄せ)おきます。
- 2回目の追肥(さらに2〜3週間後/花蕾が見え始めた頃) 葉の中心に小さなつぼみが見え始めたら、大きく育てるためのラストスパート。1回目と同様に、株の周囲に追肥を施し、しっかりと株元に土を寄せて支えを強化します。 ※つぼみが大きくなってからの過度な追肥は、茎に空洞ができる「花茎空洞症」を引き起こしてつぼみの質を落とすため、花蕾が肥大し始めたら追肥は控えましょう。
4.病害虫の予防と防除

要注意の害虫たち
ブロッコリーをねらう宿敵は、アオムシ、ヨトウムシ、コナガ、アブラムシです。
- 対策:こまめに防虫ネットの上からでも葉裏を観察し、卵や生まれたばかりの幼虫のうちに捕殺します。どうしても防ぎきれない場合は、BT剤(ゼンターリなど、天然由来の殺虫剤)やアファーム乳剤などの農薬をラベルの使用方法に従って適切に使用しましょう。
- ポイント:窒素肥料を一度に与えすぎると、植物体内の窒素濃度が高くなり、害虫にとって「美味しい状態」になって虫を呼びやすくなります。追肥はドカ食いさせず、適量を守りましょう。
注意したい病気
排水不良や長雨が続くと、軟腐病(なんぷびょう)や黒腐病(くろくさびょう)、べと病が発生しやすくなります。
- 対策:何よりも「水はけを良くする」ことが最大の予防です。また、病気の株を見つけたら他の株に広がるのを防ぐため、すぐに畑から持ち出して処分してください。
5.おいしい収穫の目安と「側花蕾」の楽しみ方
最初のブロッコリーを収穫した後も、株をそのまま抜かずに残しておきましょう! 側枝から次々と小さなわき芽(側花蕾)が伸びてきます。頂花蕾の収穫後に追肥をしておけば、冬の間も500円玉〜直径4〜5cmほどのミニブロッコリーが次々と育ち、翌年の春まで長く収穫を楽しみ続けることができますよ。

頂花蕾(中心の大きな花蕾)を早めに収穫する
- 収穫のコツ:
- つぼみの表面に黄緑色の花弁が見え始めたら、それは「開花直前」のサイン(収穫遅れ)なので、小さくてもすぐに収穫します。
- 必ず晴れた日の涼しい朝に収穫します。茎は水平ではな「斜め」にカットしてください。水平に切ると切り口に雨水が溜まってそこから腐りやすくなりますが、斜めに切ることで水が流れ落ち、晴れた日なら切り口がすぐに乾いて病気を予防できます。
側花蕾のたくさん穫るためのワンポイント
兼用種の種を選ぶ際は、「夏まき栽培」(7月中旬〜8月播種)で育てると冬の間にじっくり側花蕾が育ち、甘みも増して長期間楽しめます。また、最初の頂花蕾を少し早め(直径10〜12cm程度)に収穫することで、中心にできるメインの頂花蕾は、大きくなりすぎる前の少し小ぶりな段階(直径10〜12cm程度)で早めに収穫します。 頂花蕾を早めに収穫することで「頂芽優勢」が解除され、脇芽(側花蕾)へ養分が行き渡り成長スピードが上がります。収穫後すぐにお礼肥(追肥)を与えることが、側花蕾を次々と発生させるコツです
最初のブロッコリー(頂花蕾)を収穫した後も、株をそのまま抜かずに残しておきましょう! 側枝から次々と小さなわき芽(側花蕾)が伸びてきます。
収穫後にしっかりと追肥をしておけば、冬の間も500円玉〜直径4〜5cmほどのミニブロッコリーが次々と育ち、翌年の春まで長く収穫を楽しみ続けることができますよ。
収穫のコツとタイミング
- 早めの収穫が鉄則 つぼみの表面に黄緑色の花弁が見え始めたら、それは「開花直前」のサイン(収穫遅れの合図)です。小さくてもすぐに収穫しましょう。
- 晴れた日の涼しい朝に 収穫は、必ず晴れた日の涼しい朝に行います。
- 茎は「斜め」にカットする 茎を水平に切ると、切り口に雨水が溜まってそこから腐りやすくなります。斜めに切ることで水が自然に流れ落ち、晴れた日なら切り口がすぐに乾いて病気を予防できます。
側花蕾をたくさん穫るためのワンポイント
頂花蕾と側花蕾の「兼用種」を選ぶ際は、「夏まき栽培(7月中旬〜8月播種)」で育てると、冬の間にじっくり側花蕾が育ち、甘みも増して長期間楽しめます。
また、側花蕾をたくさん発生させる最大のコツは以下の2点です。
- 頂花蕾を早めに収穫する 中心にできるメインの頂花蕾は、大きくなりすぎる前の少し小ぶりな段階(直径10〜12cm程度)で早めに収穫します。これにより「頂芽優勢」が解除され、脇芽(側花蕾)へ一気に養分が行き渡り、成長スピードが上がります。
- 収穫後のお礼肥(追肥) 頂花蕾の収穫後、すぐにお礼肥を与えることで、側花蕾を次々と発生させるスタミナを株に補給できます。
6. まとめ
9月のブロッコリー栽培は、
- 「pH 6.0〜6.5」の酸度調整と、水はけを良くする「高畝」作り
- 植え付け直後の「防虫ネット」の設置
- 「外葉」を大きく育てるための定期的な追肥と土寄せ
この3つのポイントを押さえるだけで、初心者でも失敗なく、美味しい大玉のブロッコリーを収穫することができます。また、側花蕾(そっからい)を長期間にわたって収穫できるのも大きな楽しみの一つです。自分で育てた採れたてのブロッコリーの甘みと美味しさは格別ですので、ぜひこの秋、畑での栽培にチャレンジしてみてくださいね!


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