家庭菜園で人気のサツマイモ。水はけの良いやせ地を好み、比較的育てやすいため初心者にもおすすめの野菜です。秋の収穫に向けて、ホクホクやねっとりとした甘いお芋を育てるためのポイントを、農家さんや専門家の視点からご紹介します!
1. お好みの「品種」を見つけよう
サツマイモには様々な品種があり、食感や甘さの好みに合わせて選ぶのが醍醐味です。
- ホクホク系:昔ながらの味わい。天ぷらや料理にもおすすめ。「紅あずま(初心者向け)」「鳴門金時」など。
- しっとり系:絹のようななめらかな舌触り。「シルクスイート」など。
- ねっとり系:スイーツのような濃厚な甘さ。「紅はるか」「安納芋」など。

2. 収穫量を左右する「苗選び」
サツマイモは種ではなく、「挿し苗(つる)」を植えて育てます。最初の苗選びが非常に重要です。以下のポイントをチェックしましょう。
- 茎が鉛筆くらいの太さでしっかりしている
- 節と節の間隔が短く、キュッと詰まっている
- 葉が濃い緑色でハリがあり、5〜7枚ついている
- 節から白い根が少し出ている

3. 失敗の最大の原因「つるぼけ」に注意!土作りのコツ
サツマイモ栽培で最も多い失敗が、つるや葉ばかりが茂って芋が大きくならない「つるぼけ」です。 その最大の原因は、肥料(特に窒素分)の与えすぎです。サツマイモは自ら栄養分を作り出す力があるため、前作の肥料が残っている畑などでは無肥料でも育つほどです。 肥料を施す場合は、窒素を控えめにし、芋の肥大を助けるカリウムを重視した配合にしましょう。

4. 植え付けと栽培管理
遅霜の心配がなくなり、地温が15℃以上になる5月中旬〜6月中旬頃が植え付けの適期です。
- 植え方:斜めに挿し込む「斜め植え」が簡単で一般的です。小ぶりな芋をたくさん採りたい場合は「水平植え」、大きくて質の良い芋を狙うなら「船底植え」もおすすめです。株間は30〜40cm。
- 水やり:植え付け後、根付く(活着する)までの約1週間はしっかり水を与えますが、その後は基本的に水やり不要です。乾燥気味に育てることで根が深く伸びます。
- つる返し:夏になり、伸びたつるの途中から地面に根(不定根)が張ると、栄養が分散してしまいます。根付いたつるを地面から引き剥がし、ひっくり返して葉の上に乗せる「つる返し」を行って、株元の芋に栄養を集中させましょう。
💡ワンポイント:赤ジソを一緒に植えよう(コンパニオンプランツ) サツマイモの畝間に「赤ジソ」を混植すると、赤ジソが余分な肥料を吸収してつるぼけを防いでくれます。さらに、サツマイモを食害するコガネムシを遠ざける効果も期待できます。

5. 収穫と甘さを引き出す「追熟」
植え付けから110日〜150日程度経過し、葉の一部が黄色く枯れ始めたら収穫のサインです。寒さに弱いため、霜が降りる前に必ず収穫を終えましょう。 晴れて土が乾いている日に、芋を傷つけないよう優しく掘り上げます。
掘りたてのサツマイモはあまり甘くありません。収穫後、13〜15℃の温度変化の少ない冷暗所で数週間〜1ヶ月ほど保存(追熟)することで、デンプンが糖に変わり、驚くほど甘くしっとりとしたお芋になります。 保存の際は、芋を1本ずつ新聞紙で包み、発泡スチロール箱に入れてもみ殻を詰める方法が保温・保湿に優れており、家庭でも実践しやすいのでおすすめです。


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